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ぽっくり往生の寺・吉田寺(奈良県) [近畿地方の旅]

ぽっくり往生の寺・吉田寺(きちでんじ)
奈良県生駒郡斑鳩町小吉田にある清水山「吉田寺」は、「ぽっくり往生の寺」として有名な寺院である。
平均寿命にはしばらくあるが、すでに高齢者、功徳を受け損じなきよう早めに参拝することにした。

大きな伽藍がある寺院ではなく、街の中にひっそりとした門がある。
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吉田寺の創建は古く、天智天皇の勅願によると云う、平安時代末期である永延元年(987年)に恵心僧都源信によって開基された。恵心僧都は「日本浄土教の祖」と呼ばれる僧であるらしい。吉田寺は浄土宗寺院である。

本堂を上がって御祈祷の受付。
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御祈祷は予約制で、祈祷料は五千円/一人、肌着を数枚持参して御祈祷を受ける。肌着は長患いすることなく、下の世話にならないように一緒に拝んでいただく。夫婦で新品の下着を用意・・。

伝承によると、恵心僧都は臨終が近い母に浄衣をお着せになり「南無阿弥陀仏」を称えられたところ、母は阿弥陀さまのお迎えをいただかれ、眠るように安らな極楽往生を遂げられた。恵心僧都はこの大往生に感銘を受け、末世衆生救済のため、栗の大樹から丈六阿弥陀如来を顕したと云う。

この因縁から、丈六阿弥陀如来の宝前で御祈祷を受けると、与えられた寿命を全うした後に長患いなく穏やかに極楽往生できるという霊験となり「ぽっくり往生」の信仰の礎となっている。

御本尊は丈六阿弥陀如来。(起立されたときの御身丈が一丈六尺ほどであることから丈六阿弥陀如来と云われるらしい。)
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僧侶が御祈祷を行う。持参した下着は僧侶の前に置かれて祈祷を受ける。祈祷の終わり間際には「南無阿弥陀仏」を僧侶と一緒に十回ほど唱和、手元に置かれた木魚を叩きながら。

御祈祷のあとは、別部屋でお茶とお菓子(最中)をいただく。心落ち着くひととき。
祈祷を受けた肌着とお札を受け取り本堂をあとに。ご利益がありますように・・。

境内も少し散策。

多宝塔(重要文化財)。
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墨書銘によると寛正4年(1463年)の建立。秘仏の大日如来像が安置されていると云う。

鐘楼。(かつての梵鐘は戦時下に供出、現在の梵鐘は戦後に新調。)
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鐘楼の額には「妙響楼」との銘がある。

吉田寺付近地図


(2022年10月中旬 撮影機材 Nikon Df )
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