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帝国戦争博物館(ロンドン)ドイツ軍の兵器 [イギリスの旅]

帝国戦争博物館(Imperial War Museum:略称IWM)
帝国戦争博物館(ロンドン)は、大戦の記録を残すイギリスの国立博物館である。ここには、第二次世界大戦で敵国であったドイツ軍の兵器も展示されている。

博物館のロビーに入ると、イギリス軍戦闘機「スピットファイア」と共にドイツ軍のミサイル兵器である「V-1」「V-2」が展示されているのが目に入る。「ハリアー」もあるけど・・。
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V-1(Vergeltungswaffe 1) Vergeltungswaffe:報復兵器
「V-1」は、第二次世界大戦時にドイツ空軍が開発したミサイル兵器であり、現在の巡航ミサイルの始祖とも言える兵器である。パルスジェットエンジンを搭載したミサイルで、正式名称はフィーゼラー社が生産したことから「Fi 103」と云う。
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1942年6月ドイツ空軍はフィーゼラー社に対してジェットエンジンを動力とする飛行爆弾の開発を命じた。しかし「V-1」として実戦配備となったのは1944年6月で、ノルマンディー上陸作戦の1週間後、空軍第155対空連隊に配備される。弾頭にはアマトール850 kg、動力はパルスジェットエンジン:推力300㎏(750hp相当)、最大速度は約600㎞/h、航続距離は約250㎞である。

実際に発射された「V-1」は20,000発以上であるが、多くの発射失敗と大多数が撃墜・墜落し、ロンドンに到達したのは1割程度とみられる。

V-2(Vergeltungswaffe 2)ロケット
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「V-2」は、第二次世界大戦中にドイツが開発した世界初の軍事用液体燃料ミサイルであり、弾道ミサイルである。後にアメリカ合衆国でアポロ計画を主導したヴェルナー・フォン・ブラウンが計画に参加し設計を行ったことで知られる。弾頭にはアマトール980kgを搭載、航続距離は約300㎞である。

「V-2」は超音速で飛来し、既存の兵器では迎撃不可能であったが、発射されたミサイルは故障・暴発・空中分解等で多数が失われ、ロンドンに到達したのは500機程度(約半数)であったと云う。「V-2」はドイツ陸軍所管で、1944年9月に第444並びに第485砲兵大隊に配備された。

V-1もV-2も当時の技術では特定目標を照準できず、命中精度は実用的ではないくらい低い。とはいえ、ロンドン市民は平穏な生活が妨げられ、大きな脅威となった。

G7魚雷
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「G7」はドイツ海軍Uボート並びに水上艦艇で使用された魚雷である。直径533mm、全長7,163mm、蒸気エンジン方式の「G7a」では雷速が射程により30kt(射程12,500m)40kt(7,500m)44kt(5,000m)と選べ、炸薬量は280㎏であった。魚雷先端の「ひげ」は接触式信管である。

エニグマ (Enigma)
第二次世界大戦でドイツが用いたローター式暗号機、暗号機によって作成される暗号も広義にはエニグマと呼ばれる。意味は本義でもある「謎」。
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エニグマ暗号機は、1918年にドイツの発明家アルトゥール・シェルビウスによって発明された電気機械式暗号機械で、1925年にはドイツ軍が正式に採用。暗号方式は換字式であり、詳しくは順変多表式である。

大戦中に英国はエニグマ解読に成功したが、その事実は徹底して秘密にされ、ドイツ軍は終戦までエニグマを使用し続けた。エニグマ解読を題材とした映画「イミテーション・ゲーム」は、天才数学者アラン・チューリングを主人公とし、解読までのドラマと、その事実を秘密にする事による葛藤が描かれている。

帝国戦争博物館(ロンドン)付近地図


ツアーはJALPAK「エジンバラと湖水地方を訪ねる・イギリス縦断8日間」に参加。

(2018年5月中旬 撮影機材 Nikon Df )
観た映画(Amazonの該当頁へ):「イミテーション・ゲーム」
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