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坂東三十三観音十六番札所(五徳山水澤寺)「水澤観音」 [坂東三十三観音巡礼]

坂東三十三観音十六番札所(五徳山水澤寺)「水澤観音」
観音信仰は仏教の東漸とともに流伝した。真心をもって一心に観音の御名を称えれば、観音菩薩は我らの苦悩を救いたもうとの事である。その慈悲心の働きは、姿を三十三種に変じてとあり、この三十三に合わせて三十三観音札所巡りが始められた。伝承によれば養老年間(717年〜723年)に大和長谷寺の開山徳道上人が閻魔大王の勧めによって発願したが振るわず、やがて平安末期に花山法皇が巡礼なされたとして三十三観音(現在の西国三十三観音)は人々に広がりを見せた。この西国三十三観音巡礼の信仰が坂東に及び、札所が定められて行ったのが坂東三十三観音との事。

坂東とは箱根の坂より東の地域を指す、現在の関東である。坂東三十三観音の成立は、源頼朝と実朝が熱心な観音信者であった事から、鎌倉幕府成立の時期に気運が高まり制定されたと考えられる。

坂東三十三観音の十六番札所は五徳山水澤寺、群馬県渋川市伊香保町にある「水澤観音」である。縁起によれば、推古天皇の勅願により高麗来朝の恵灌僧正により開基され、伊香保御前(伊香保姫)御持仏の十一面千手観世音菩薩を安置し建立する寺との事である。

開山当初は御堂の数三十余宇の巨刹であったが、火災により焼失した。現在の御堂は大永年間(室町時代)に仮堂を造り、元禄から天明に至り(江戸時代)改築を加えてきたものらしい。

本堂(観音堂)。                       (Adobe Stock my portfolioに掲載)
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本尊の十一面千手観世音菩薩を祀る。元禄年間に建立、天明7年に改修を終えた。

水澤観音は融通観音として知られ、一切の願を融通し、救いの手を差しのべてくれるとの事。

幾多の煩悩を祈願・・・。
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本堂手前にある六角堂(地蔵堂)。
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六角堂は元禄年間に建立された地蔵尊信仰の建築物、「六道輪廻」の相を表す。六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界、天人界)を守る地蔵尊を祀っている。

雨に烟る、鐘楼。
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鐘楼内の鐘は一打100円(御志納金)。
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御朱印
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詠歌「たのみくる 心も清き 水沢の 深き願いを うるぞうれしき」

由緒、詠歌等は「坂東三十三所観音巡礼」(坂東札所霊場会編)を参考に記載。

五徳山水澤寺付近地図


今回はここ十六番札所「水澤観音」を巡礼して、四万温泉「積善館」に宿泊し、帰路十五番札所「白岩観音」に巡礼した。

(2015年6月中旬 撮影機材 Nikon Df )

参考文献(Amazonの該当頁へ):「坂東三十三所観音巡礼」(坂東札所霊場会編)

関連ブログ:四万温泉「積善館」
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