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出雲の国(島根県)熊野大社・神魂神社 [山陰地方の旅]

出雲の国
古代出雲は青銅器、鉄器を産する大きな勢力の「国」であったが、やがて大和政権の支配下になり「国譲り」神話を残したと考えられている。古代出雲は現在の島根県東部から鳥取県の一部までを含んだらしいが、大宝元年(701年)大宝律令により地方行政区分が定められ、「出雲国」は令制国として島根県東部にあたり、国府は松江市に置かれた。

「出雲の国」には一宮が二つある。「出雲大社(出雲市)」と「熊野大社(松江市)」である。
「熊野大社」は松江の南、静かな山間に鎮座している。

熊野大社
創建は神代と云われ、御祭神の名は「伊邪那伎日真名子 加夫呂伎熊野大神 櫛御気野命」と長い。
「伊邪那伎日真名子(いざなぎのひまなご)」は伊邪那伎命(いざなぎのみこと)がかわいがった御子、「加夫呂伎熊野大神(くまののおおかみ)」は熊野の地の神聖なる神、「櫛御気野命(くしみけぬのみこと)」は素盞鳴尊(すさのおのみこと)のことであり、素盞鳴尊を讃える祭神名となっている。

熊野大社拝殿。
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熊野大社は、火の発祥の神社として「日本火出初之社(ひのもとひでぞめのやしろ)」とも呼ばれる。

「出雲國風土記」に熊野大社、日本火出初神社とも称され、古来杵築大社(出雲大社)と並びて出雲の国の大社との記述があるらしい。紀伊国の熊野三山も、熊野大社から紀伊国に勧請されたという説があるとの事だが、よくわからないみたい。

熊野大社入口の苔むす狛犬。
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本殿の横にある伊邪那美神社。
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伊邪那美命(いざなみのみこと)は素盞鳴尊の母神。

熊野大社付近地図



神魂神社(かもすじんじゃ)
松江には現存する大社造の社殿のうち最も古いといわれる神魂神社がある。何故か「延喜式神名帳」に記載されておらず、国史や「出雲国風土記」にも記載がないそうだが、古そうな神社である。

主祭神は伊弉冊尊(いざなみのみこと)とし、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を配祀するとしているが、これは中世末期ごろからのもので、それ以前の祭神は不明らしい。社伝によれば、出雲国造の祖神である天穂日命(あめのほひのみこと)が、この地に天降って創建したものと伝えられる。

神魂神社本殿。                        (Adobe Stock my portfolioに掲載)
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現存する大社造の社殿のうち最も古い、天正11年(1583年)に改築、国宝。

出雲国造家は現在は出雲大社の宮司家であるが、社伝では25代まで当社に奉仕したという。国造家の代替わりのときの「神火相続式」「古伝新嘗祭」は、明治初年までは当社に参向して行われていたらしい。

本殿の隣にはお稲荷さんが、貴布禰稲荷両神社(きふねいなりりょうじんじゃ)。
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二間社流造とかで、重要文化財。

神魂神社付近地図



「出雲の国」の二つの一宮(出雲大社、熊野大社)と二つの国宝本殿(出雲大社、神魂神社)を拝観し、松江の宍道湖畔に宿泊。翌早朝の宍道湖、蜆採りの風景。
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宿の窓から撮影、宍道湖に浮かぶ島は「嫁ヶ島」。

「出雲の国」を知るなら、小泉八雲著「神々の国の首都」の一読がお勧め。宍道湖の「嫁が島」、松江城や橋の「人柱」、夜毎に水飴を買いに来る亡霊の話などが載っている。

(2014年5月上旬 撮影機材 Nikon D5100)

関連ブログ:出雲大社
読んだ本(Amazonの該当頁へ)小泉八雲著「神々の国の首都」
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